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VTuber文化の基礎を作った立役者・エイレーン一家と派生チャンネルを一挙紹介

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VTuberファンなら誰もが知っている、エイレーン。逆にそこまで深いファンじゃない人には、ピンと来ない存在かもしれません。というのも、エイレーンはどちらかというと裏方的な立ち位置だからです。

エイレーンが有名なのは、一つは有名VTuberミライアカリのプロデューサー的な存在だから。もう一つはまだVTuber(バーチャルYouTuber)という言葉・考え方のない時代から、1人コツコツと二次元のキャラクターがYouTuberとしてしゃべる動画をアップし続けた人物だから。スタートしたのは2014年3月。キズナアイが2016年末デビューなのを考えると、かなり早いのがわかります。

エイレーン周辺では現在、様々なVTuberが活動しています。通称エイレーン一家と呼ばれるファミリーと、その派生です。
今回はエイレーンが関わっているプロジェクト+家族を紹介していきます。VTuberの可能性を切り開き続けている、野心的かつはちゃめちゃな存在だらけです。

女の子大好き!VTuberのパイオニア・エイレーン

 

赤い髪の毛を2つにしばった女性「アニメ娘エイレーン」として2014年3月に活動を開始。エイレーン一家の次女、20歳です。女の子が好きでセクハラをしまくるだけでなく、ちょっとここには書けない過激すぎるネタ(コラとか擬人化とか……)も行う、アバターYouTuberでした。一番最初はまとめ動画的なものを投稿しており、次第にオリジナルネタ動画にシフト。長女のベイレーン、三女の紅ノ(べの)の三人姉妹として動画に登場します。

その後「Mirai Akari Project」を立ち上げ、エイレーンは自身のチャンネルそのものを明け渡します。また自分の英語チャンネルも、英語特化の「夏実萌恵」チャンネルに変更。

もっとも「ヨメミ V-ARチューバー -萌実-」では、3D化して頻繁に登場しています。このあたりが大分ややこしいので、詳しくは後述していきます。なんにせよエイレーンがすべての起点なのがポイント。

ちょっとえっちな明るいお姉さんミライアカリ

ミライアカリは正確には「エイレーン一家」ではありませんが、関係VTuberでは一番目立つ存在。エイレーンが立ち上げたプロジェクトで、記憶喪失の少女がYouTuberをはじめる、と言った内容。初音ミクで有名なKEI氏によるデザインで、金髪のスーパーモデル体型、セクシー過ぎる衣装、超絶ハイテンションかつ下ネタ大好きなスタイルで人気を博しています。現在はアニメ「バーチャルさんはみている」にもレギュラー出演中。彼女の活動は、エイレーンだけでなく、大勢の人が関わっているプロジェクトになっています。

 

エイレーンの日本語チャンネルを、「Mirai Akari Project」として変更。めきめき成長し続けて、2019年1月現在73万人登録という巨大チャンネルになっています。ミライアカリ本人の明るいキャラクターもさることながら、リアルYouTuberに絡んだり、VRChatに行ったり、現実世界に飛び出したり、斬新なスタイルの動画を作ったりと、常に新しいことをし続けるスタイルが特徴。VR世界にきたはじめしゃちょーとコラボをしたことも。

現在は株式会社DUOによるバーチャルYouTuber事務所ENTUMのトップクリエイターとして活動中です。

毒舌暴走長女ベイレーン

 

2018年4月に活動を開始した、エイレーン一家三人姉妹長女、ベイレーン。元々はエイレーンの動画の登場人物の1人でしたが、オリジナルチャンネルを持って復活しました。

一番最初のエイレーンのチャンネルは、ユニークなネタのみならず、過激なネタや行き過ぎな下ネタ、思い切りすぎた毒舌でも人気を博していました。最近はミライアカリやヨメミ(後述)の人気がメジャー化するのに合わせるかのごとく、少々抑え気味に。

その分爆発したかのように、ベイレーンのチャンネルではやりたい放題が始まりました。「◯◯はクソだお!!」のタイトルが多く、あれこれいちゃもんを付けて否定して、エイレーン一家の淀みを集めたような、パワフルなネガティブさが楽しいチャンネルです。他のチャンネルと違い、落書きコラ風なのが特徴。サブカルインターネット色が非常に強めです。

歩くシモネタ・紅ノ

エイレーン三人姉妹の三女、紅ノ(べの)。今の所独自チャンネルはなく、あまり動画にも出演していません。エイレーンがメインで動画に出ていた頃にしばしば登場していました。

やりすぎな下ネタが大好物で、パーカー着用の巨乳さん。彼女もかなりアクの強い人物なので、オリジナルチャンネルでの活動が期待されている存在です。

高性能英語VTuber・夏実萌恵

アメリカ暮らしの大学生、夏実萌恵。周囲誰もが認めるオタク。青髪の2つ縛り。ヨメミ(後述)からは「お姉ちゃん」と呼ばれています。BL大好きっ子で、しゃべりが比較的落ち着いている方。もっともその内容は……。

彼女は元々、エイレーンチャンネルの登場人物の1人で、「御沢萌恵(おたく・もえ)」という名前で登場。その後「夏実萌恵」に改名、海外向けだったエイレーンの英語字幕チャンネルを継ぐ形で、単独デビューを果たします。現在は3D化済み。

トークは基本が英語で、日本語は字幕、というスタイル。海外の視聴者が大半で、多くの言語の字幕も追加されています。コメント欄を見ると、圧倒的に英語圏からのものばかりなのも特徴。内容の見せ方も、日本のオタク向けと異なり、ネタのチョイスやゲームのプレイスタイルなど、海外オタクの機微に合わせて調整されているのがわかります。

 

基本的にはゲーム実況がメイン。ただ割とまともな方とはいえ、そこはエイレーン一族の1人、時々しれっとアウトな動画もアップしています。地上波では流せない言葉も言います。現在の、海外市場向けVTuberとして可能性を見ることができる存在です。

あなたの嫁の萌実と、そのアルターエゴ・ヨメミ

萌実とヨメミ同じチャンネルで活動しています。

先に活動を開始したのは萌実の方。ゲーム実況をメインに、エイレーンと一緒に動画撮影をする、体当たり型のVTuber。「あなたの嫁」と自称し、視聴者を「旦那様」と呼ぶのが特徴。その割にエイレーンに散々ひどい目にあわされ、激しく貧乳いじりされ続けている、エイレーン一族の中ではかなりの苦労人。サムネイルでエッチな感じの顔にされるのも、萌実のお仕事。

ミライアカリのチャンネルではゲーム系の企業案件が多くないのに対し、萌実は案件動画を数多く担当しています。ただし、企業からお金をもらっているとは思えないほど、しっちゃかめっちゃかな内容のものばかり。エイレーンと萌実のストーリーが破天荒すぎて、なんのゲーム紹介かわからないようなものすらあります。スピード感のある独特なテンポの編集が気持ちいい。

2018年1月に登場したのが、銀髪で似たような外見の、でもなんだかちょっと異なる空気感の女の子・ヨメミ。彼女は「萌実の一年前の姿を模したAI、アルターエゴ」というバーチャルな存在。その後、ヨメミはかなりの頻度で動画投稿をするようになりました。

現在は3D化済み。落ち着いていて巻き込まれ型だった萌実に対して、ヨメミはイケイケのアッパー系パリピ。視聴者の呼び名は「ダーリン」。バーチャルな彼女として、押しの強い動画を投稿し続けます。

 

実写を交えた映像など、かなりYouTuberらしい動画をアップするのがヨメミの特徴。実験的な企画担当です。

萌実とヨメミは同じチャンネルなれど、やっている動画の方向性は全く違います。エイレーンは萌実は雑に扱いますが、ヨメミは「みんなの彼女」というスタンスなので割と親切に扱われているのも面白いところ。一応は同一人物ではないのか……?

この2人は今まで接点を持ったことが一度もありません。ほんとうに1年前のアルターエゴなのかは、現在謎のままです。

苦労と努力の人エイレーン

エイレーンがYouTubeを始めるまでの道のりは、壮絶なものでした。本人の生い立ちを自分でまとめたのが、上記の動画です。

ハーフのエイレーン。幼い時に父親を亡くし、母に海外に連れて行かれ、必死に語学を学ぶ羽目に。日本に戻った後は、ブラック企業に入ってしまった上に、同人サークルの仲間に振り回されクタクタ。そこで、YouTube活動を開始したようです。

あまりにもお金がないので海外で就職し一時的に活動をやめるも、仕事に疲れ果てた時にふと見ると、YouTubeが一万人登録を達成。YouTubeで生きていくことを決意し、2017年4月に10万人登録を達成しました。

もちろん急に収入が増えるわけもなく、一時期は小麦粉水と雑草を食べて命をつなぎとめたとのこと。今のグローバルな活動をするエイレーンからは、想像できないものがあります。逆にミライアカリデビュー前のコツコツ頑張っていたエイレーンを見ていたファンからすると、ここまで自由に、幅広く活動を広げられるようになるなんて考えもしていなかったはず。

チャンネルが軌道に乗り、企業案件等も増えて黒字になりはじめてから、萌実チャンネルが生まれました。
(追記・これらの内容について詳細を語った他の動画は、3月13日時点で見られなくなっています)

アニメ会社をいずれ作りたい。その夢に向けて、全力で動き出したエイレーンは6000万円の巨額の借金をします。もちろんいっぺんに使うわけではなく、これを使いながら、徐々に事業を拡大していく様子。

現時点ではアニメ制作の話自体は発表されていませんが、VTuberの新しい活動は、特にヨメミとエイレーンを中心に、常に新しい方向へと模索し続けているのが見られます。バーチャルなYouTubeエンタメ事業を切り開く成功例+実験中の例として、エイレーンのエンタメ動画の思想は、多くの人に注目され続けています。

先人かつインフルエンサーとしてのエイレーン

VTuberトップクリエイターになったと言っても差し支えない、エイレーン。プロデュース兼VTuber本人としてどういう収支でお金が回っているかはわかりませんが、少なくとも黒字なのはだいぶ前に本人が動画で言っています。

エイレーン「私は元々が貧乏なので お金の使い方を知らないんです」
一昨年のその言葉を裏付けるかのように、エイレーンはお金を、苦労している配信者のために使う企画を行っています。

登録者1000人以下の新人VTuberに5万円投げ銭する、という企画。100人から1000人になるまで、VTuberは本当に目立たなくて伸びづらく、大変。それを紹介し、サポートする内容の動画になっています。

見てみるとわかりますが、もらえる金額の問題じゃない、有名な先人たるエイレーンが自分のところに来てくれた、声をかけてくれた、この経験自体が、苦労しているVTuberにとってものすごい励みになっている。辞めずに踏ん張る勇気を得ている。喜ぶVTuberたちの姿、是非見てください。見ていてとても力が湧いてきます。

また、なかなか日本では特に目立ちづらいゲーム実況者に、今度は100万円という高額(一応案件だからなのですが、それを人に渡すとは…)を投げ銭。ゲーム実況者界隈では逆に、エイレーンの存在はほぼ知られていません。けれどもそれだけ強く支援してくれる人が登場したことで、みんなのやる気はぐいっと上がります。泣いてしまう人も。

エイレーン「日本の実況者は海外に比べてドネートされませんからね。私が変えます!!」

ドネートとは寄付のこと。YouTuber・VTuberの界隈では今でこそ少しずつ、生配信やプレミア公開でスーパーチャット(投げ銭)を行ったり、各種プラットホーム独自のアイテム購入・投下を行うなどして、お金を配信者に送る文化が少しずつ定着してきました。とはいえ、まだまだです。真剣に配信している人たちが、登録者数を伸ばし、お金を稼いで食べていける状況は、個人も企業もまだまだ遠い。この構造を変えていくしか無い。

自らが歩んできたであろうVTuberとしての大変さを踏まえ、お金に対してのシビアな目線、そしてエンタテイメント性を、エイレーンは体現し続けています。だからこそ同時にエイレーンの偽物が登場した時は、激しい糾弾も行っています。

エイレーン「私があの動画を作った理由はですね YouTuberがスーパーレッドオーシャンだからです 上位の人はこれ以上ない成功してますけど 下の人は過酷な現状ですから」
なりすまし問題は配信者人生を左右するもの。トップクリエイターの1人がはっきり語ってくれるのは、後続にとってなんとも心強い。

界隈に対する自らの影響を理解しながら、下地をどんどん固め、新しいことをはじめていく姿勢をリスペクトする人はとても多いです。次にエイレーンが何をするか、正直誰も予測できません。それらが、人を傷つけるのではなく、見る人、ドッキリされた人、みんなが幸せになれるから、エイレーンの動画は見続けてしまう魅力があります。

たまごまご

オタク系・サブカル系ライター。ねとらぼ、エキレビ!、MoguraVR、コンプティーク、Vティークなどで、マンガ・アニメとVTuberの記事をメインに執筆中。女の子が殴り合うマンガが好きです。

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