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ブラを買わずにパスタマシーンを買った話

初めまして、「おなじといっしょ」のわたしことmojamojayoと申します。育児にまつわるエトセトラを中心に、丁寧にくらしたい、たまには楽したい、いいもの買いたい、節約したい、そんな矛盾の波を航海するディスカバリーブログ「おなじといっしょ」を運営中です。

今日は、わが家の最近のネットショッピングについてのエピソードをお話しします。

一生分の重曹が眠る家

わたしと夫には業務用とついた商品に憧れて、つい衝動買いしてしまう、そんな持病があります。以前、重曹の購入を決めた時もそうでした。その頃のわたしは「重曹があれば、掃除・洗剤・消臭・料理となんでも使える、家事を制したも同然!」と重曹万能説をかかげており、速水もこみちがオリーブオイルなら、わたしは重曹!と言わんばかりに、なんでもかんでも重曹を多用しておりました。ハイペースで使い切ってしまうため、切らす度に近所のスーパーで少量の重曹をいちいち購入するのが嫌になり、ええい辛気臭い!と25キロも入った業務用食用重曹をネットで注文してしまったのでした。


ネットがあれば素人でもお手軽に「業務用〇〇」が手に入る現代に感謝
待ちに待ったお届け日当日。配達員の方から重曹を受け取った瞬間、わたしは確かな手応えを感じました。あ、さすがに買いすぎたなって。
一生分ありそうな25キロの食用重曹。どうにか消費する手立てはないかしら、とネットサーフィンしておりますとひとつの有力情報にたどり着きました。

ラーメン用の麺づくりに欠かせないかんすい、――かんすいというのはラーメンのコシや風味、色合いを司るアルカリ性の塩。うどんとラーメンがほぼ同じ原材料なのにまったく別物なのは、このかんすいのおかげ――このかんすいの代用品として重曹を使って製麺するとラーメンにぴったりの中華風麺ができあがるというのです。

おうちでラーメン無双ができるだと……?!

まずは、ネット住民達の集合知をお借りしつつ、家にある道具を使って一番簡単なレシピでさくっと試作してみることにしました。
うどんを切る要領で製麺したものだから、やけに極太になってしまったのが気になりますが、見た目はなかなかのもの。


わが家製ラーメン、試作第一号
おそるおそる口にしてみます。ずるずるずる。
「あ、ラーメンだ。」「これラーメンだわ。」

と思った以上にちゃんとラーメン!麺の太ささえクリアできれば、もっともっと美味しいやつがおうちで作り放題なんじゃないのー?!と沸き立つわが家一同。

お手軽に太さ問題を解決しつつ、しかも美しく均一な麺をつくるためにはパスタマシーンがおすすめとインターネット在住の先人達は言います。

正直に申し上げますと「え〜ラーメンなのにパスタ用ぉ?」と製麺一年生のくせに心の中で難癖をつけてしまったのですが、パスタマシーンなるものをいざ調べてみますと、そそることそそること!商品そのもののマシーンとしての美しさもさることながら、パスタマシーンで作った麺の美しさ、そして何よりパスタマシーンを所有している方々が愛おしそうにパスタマシーンを活用している姿が、なんか良い……。良いな、のスイッチが一度入るともう止まらない、気がつけば「わたしもパスタマシーンを所有する側の人間になりたい!」と強く憧れていたのでした。

Amazonで調べてみますと、約8,000円と思ったよりも手頃な値段で手に入ることが判明したものの、果たして自分に使いこなせるのか、製麺一年生なのに時期尚早ではないかと、最後の購入の一歩が踏み出せず、毎日YouTubeでパスタマシーンを使った製麺動画をひたすら漁りはじめる始末。
病的なまでにパスタマシーンを検索しまくるわたしを今までずっとそばで見ていた夫は、「もう買ってもえ……」『ええよ』ついに絞り出した一言にまるで待ってましたと言わんばかりに、間髪入れずに購入を快諾してくれたのでした。

新しいブラを付けたわたし、また会う日まで

さぁ迷うことはもうない、パスタマシーンを買おう!と再びAmazonを訪れたところ、カートには先客がいたのをすっかり忘れていました。
「妊娠中から使っているくたびれブラジャー、さすがにそろそろ新調させなくちゃな」とずっと日常用のブラをカートに入れっぱなしにしていて、次の買い物の時こそ!と待機させていたんです。でもここに来て今一番ほしい最有力候補が、まさかのルーキーが出て来ちゃったんだもん、しょうがない。
ためらうことなくブラは「あとで買う」ことにし、イタリア製のイカすパスタマシーンを買ったのでした。お母さんの下着よりも家族みんなが潤うパスタマシーンのほうがいいよねー!なんてもっともらしい理由をつけて。これは、女らしさを失ったんじゃない。お母さんはね、達観という階段をまたひとつ登ったのです……!

イタリア人がマシーンを作ると、パスタ用もやけにお洒落

わが家に届いた、10年保証つきのイタリア製MARCATOのパスタマシーン。ずっしりとした重さ、美しいボディ、ずらりと並んだ頼もしい歯車を見るだけで「ああ、わたし良いもの買ったんだな……」と快楽物質がでてくるプロダクト。すばらしい。


小麦粉練ったもんを上に乗っけてるのに、こんなにカッコイイ
さっそく生地をいれて、ハンドルを回してみます。カココカココ…と小気味良いリズムで吸い込まれていく生地。しばらく回し続けていると、なんと機械の反対側から美しく均一な麺がニョロニョロと出てくるのです。た、楽しい。


回せば回すほど麺がでてくる!
「ハンドルを回せば回すほど麺が出てくる」という未経験の事態に大興奮するわたし達。そうか、パスタマシーンにはロマンが詰まっているんだ。「蛇口をひねればみかんジュースがじゃんじゃん出てくる」と同義のロマン。仮にドラえもんが『こうやってハンドルをまわすと食べ物が出てくるんだ』なんて言いながら、パスタマシーンを紹介したとしても違和感がない、そんな風に思えるくらい夢の道具です、これは。

そしてもうひとつ、パスタマシーンのハンドル回しながらニタニタしている自分が気づかせてくれた「歯車は見るのも回すのも楽しい」という新感覚。歯車が人類の文明開化に貢献したのって、楽しいからじゃない?という気さえしてきます。

そういえばネット上によく出てくる「地下にある巨大な歯車をしもべ達がムチで叩かれながら回していて……」という、あの描写。パスタマシーンで歯車を回す楽しさを知ってしまうと「あれって、もしかして結構しもべ達も楽しんでない?」などとついつい勘ぐってしまいます。


つらそうな顔してるけど、実は楽しいのでは…?
パスタマシーンのおかげで、週末に麺をまとめてつくって冷蔵庫に常備させておくというスタイルが可能になりました。しかも中華麺の場合は2〜4日後のほうが麺が熟成されて美味しくなるというから、作り置きにももってこいなのです。


常備麺富豪とはわたしのことよ
パスタマシーンは工夫次第で、うどんも焼きそば麺も韓国風冷麺も餃子の皮までもできるらしく、粉もん大好き人間としてはチャレンジしない手はありません。

惜しむらくは、多忙すぎてパスタマシーンを使う暇が全然ないこと。「こんなことならブラジャーかっとけばよかった……」と麺が打てずに依然としてビラビラのブラをつけた二重苦のわたしは思うのでした。

おなじといっしょ

webデザイナーのわたしとプログラマーの夫、むすめ(7歳)とおとうと(2歳)の4人家族が繰り広げる日常を綴ったブログ『おなじといっしょ』を運営中。育児にまつわるエピソードを中心に「丁寧なくらし」がしたいのに、現実との狭間で一進一退する話を紹介しています。

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